週刊博士課程

平成31年4月からアカデミアを目指して博士課程に進学する筆者が、研究生活等について徒然なるままに書こうと考えています。

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【学振(DC)への挑戦】DC-2に採用されるために気をつけたことpart 1

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久しぶりの投稿です。

 

やっと、学振を題材として書くことができます。

 

 DC-1(評価B Tスコア 約3だったような…)は落ちましたが、申請書に様々な試行錯誤を加えて、無事DC-2に採用されました。

 

ですので、今回は、個人的見解にはなりますが、私自身が学振申請書を書く上で、気をつけたこと等を、DC-1の時と比較しながらご紹介させていただこうと思います。

 

皆さんの一助になれば幸いです。

 

 

 

 バックグラウンド

まずは、やはり私の経歴を説明しなければですよね。

簡潔に記載すると…

  • 学部時代は食品物性の研究
  • 他大学の大学院(修士から)に進学し、同時に専門分野を生化学・分子生物学に変更
  • 研究テーマも、研究手法も大学院から一から学ぶ

と、こんな感じです。

 

ですので、他大学の大学院に進学しようと考えている方や、大学院から専門分野を変えようまたは変えた方が、一番私の境遇と近いかもしれません。

 

.

 

 

DCは提出すべき?

おそらく色々なブログで書かれていることですが、やはり最初に決めるべきは学振を書くべきかどうかだと思います。

極めて個人的な意見になりますが、画一的に「博士になったらDCを出す」という考え方はしなくても良いと思います。

DCは博士修了後に歩む人生によってメリット・デメリットが別れる制度だと思います。

メリット

  • お金がもらえる
  • 業績として記載できる

 

デメリット

  • 給料に都市部と地方の物価や家賃など差異への考慮が反映されていない
  • 副業規定・助成金の受給資格が厳しいこと(令和2年度から規制緩和)

 

給料ですが、東京と地方では、物価や家賃にかなり差がありますが、そういったことは考慮されず、一律20万円なんですよね。もう少し、何かしらの考慮があれば、より良い制度になるかもしれません。

 

あと、賃貸の更新料、これも中々に痛いですよね。東京ですと家賃の一ヶ月分を2年に一度徴収されるなど、賃貸関係費はもう少しなんとかなりませんかね。

 

また、博士在学中に起業したい人や起業して実績を残して博士修了後の就職活動で起業したことをアピールしたい人にとってはデメリットになる制度かもしれません。

 

さらに、副業規定は依然として厳しいですよね。

 

確かに研究に専念する義務は絶対必要な規定ですし、金を稼ぐことでその義務を疎かにしてはいけません。

 

しかし、老後2000万円問題など、研究者だって金を稼いで、金を貯めていく必要があります。

 

 年金も当てにならなくなってきました。

 

となると、全国民が自らお金を貯め続けなければならず、給与20万円程度では、お金を貯めるほどの余剰資金はありません。

 

ですので、自分で稼いで投資信託などに預けられるほど、年10万円以上稼げるくらいに副業規定が緩和されれば、より良い制度になるのではないかと個人的には思います。

 

追記(2020/1/27)令和2年度から、受給が可能となる資金援助が緩和されました。

民間団体からの奨学金や研究費を含む助成金、大学基金からの学費や家賃補助の受給などが可能になるみたいです

 

さて、別視点から、DCを出すべきかどうか考えてみたいと思います。

DCを出すとなると、否応無しに、自分の研究をまとめなければなりません。

自分の研究をまとめていると、段々、

  • 研究の背景
  • 研究が社会に及ぼすインパクト
  • 研究の進捗状況および博士課程でどの程度まで研究を進めるのか

を考えなければなりません。

これって、博士課程に所属している方々は、常に意識されていることだとは思いますが、文章でまとめてみると、今まで自分が気づかなかったことや、さらに緻密に自分の研究計画を考案する足がかりになります。

 

ですので、受かっても受からなくてもいいやと思っている方でもとりあえず申請書を書いてみることをお勧めします。

 

 

 

準備期間

大学によって申請期間が異なると思いますが、私が在籍している大学では、毎年

3月下旬から5月中旬までが申請期間です。

そんな中、私が準備を始めた時期は、

 

DC-1の時……修士2年生の4月下旬から
DC-2の時……博士1年生の4月中旬から

 

DC-1の準備時期が遅くない?

 

はい、これは反省しなければなりません。

 

DC-1申請時に論文を一報も出せていなかったんですよ。そのため、インパクトがあり凄みのあるストーリーを申請書に書きたく、そのために必要なポジデータが欲しい買ったんです。ゆえに、4月下旬まで実験、実験、実験と実験し続けて、なんとか申請書の方向性を決定づけるようなデータをなんとか得ようと思っていました。

 

しかし、現実はそう簡単にはいかないものですよね。成果が全く出ませんでした。

 

まあ、ですけど、これは言い訳にしかなりませんよね。実際論文もなしにDC-1に採用されている方々は多くいらっしゃいます。ただ単純に、自分の研究内容が審査員の先生方の心に留まるようなものではなかったというわけです。

 

この反省を活かし、個人的にDC-2は頑張りました。

 

学振採用に大きく関わる要点は何か?

恐らく学振採用に大きく貢献する要因は、何と言っても申請書の質でしょう。

論理展開がしっかりしておらず、質が低い申請書は、まずスタートラインにすら立っていないと思われます。

 

一方、論理展開がしっかりしてるなど、申請書の質が及第点以上になってくると、続いて重要になってくることは、申請書が審査員に与えるだと思います。

 

好印象を与えなければいけない、大きな理由はやはり

 

一人の審査員が審査する申請書の数が多いことです。

 

ですので、申請書の質が及第点以上の申請書は、恐らく大半がドングリの背比べになると思われますので、やはり好印象を与えることができるような申請書作りに注力すべきだと思います。

 

では、どのように好印象を与えればいいのか、その方法は、数々の方々が解説していることでもありますが、やはり私も、好印象を与える申請書の条件の一つは、見やすい申請書だと思います。(これについては、他の記事で記載します。)

 

しかし、私は、もう一つ、好印象を与えるために注目すべき重要な事柄があると思います。

 

それは、審査員の先生方が審査する際に、注目するであろう審査項目に目星をつけ、重要度を割り振ることです。

 

審査員の先生方は、本業である研究の傍に申請書の審査を行います。しかも、その数は一つではありません。何本もの申請書を審査しなければなりません。

しかも、分野の近しい審査区分に提出したとしても、審査員の先生が自分の研究内容に関して、あまり詳しくない、または災厄の場合専門外であることも考えられます。

 

また、 審査員の先生方は、碩学でこれまで様々な研鑽を積んでこられた方々ではありますが、やはり人間です。

 

体調が優れない時、忙しすぎて申請書の審査に割ける時間があまりない人もいらっしゃると思います。

 

そんな時に、あまり馴染みのない分野の申請書を、どのように審査をするでしょうか。

また、近しい分野であっても一つの申請書に割ける審査時間があまりない場合どのように審査するでしょうか。

 

恐らくその場合、審査員の先生方は、効率の良い選考方法を考えると思います。

そして、効率の良い選考方法とは、審査項目の読む順番を決めて、順次、申請書に対してスクリーニングをかけていくと思われます。(後で、詳しく説明)

 

なので、DC-2を書くにあたり、自分の申請書が審査時間がない先生や自分の研究分野に馴染みのない先生によって審査される場合に、審査員の先生がどの部分に注目して審査されるのかを初めに考え、そういった審査員の先生方にもしっかり読んでもらえる申請書作るために作戦を立てました。

 

私が予想した審査する上で、初めに注目するであろう申請書の項目

申請書の内容以外で勝負できる箇所は、どれだけ好印象を審査員の先生に与えることができるか、どれらだけ申請書を読んでみたいと思わせるほどの興味を引き出すことができるかだと思います。

これらによって、審査員の先生方の申請書の読み方が多少なりとも変わってくると思います。

ですので、これらを踏まえ、私が予想した、多忙な審査員の先生方が初めに注目し、かつ興味を喚起できるであろう申請書の項目はこちら。

  1. 研究タイトル、申請者の経歴、指導教員名、共同研究者の先生の名前
  2. 実績(論文を出しているか、First authorかを確認、学会も出ているか)
  3. これまでの研究の背景部分


ここまでで、まあまあ良い印象を受ければ、これまでの研究のこれまでの研究内容・研究目的やこれからの研究について、他の申請書よりじっくり深く読み進めていただけるだろうと思いました。

では、なぜそう考えたのか…

 

1.研究タイトル、申請者の経歴、指導教員名

 こちらは、想像が容易いと思いますが、審査員の先生にとって、申請者は赤の他人です。誰だか分かりません。ですので、最初に研究タイトルと申請者の経歴を見ますよね。

ここで大事なことは、魅力的で伝わりやすいタイトルを付けることだと思います。

訳がわからず、イメージしづらいタイトルですとそれだけで、悪い印象を与えてしまいます。

 

そして、もう一つ大事なのが、指導教員名です

まあ、指導教員名が、採用に大きな影響を及ぼすとは考えにくいですが(そう信じたいです。)、研究者の世界って、狭いですよね。

 

ですので、審査員の先生が、指導教員の先生と知り合い、または名前くらいなら知っているという状況は、恐らく確率的に高いのではないでしょうか。

 

そうなると、もし、知っている先生の教え子の申請書を審査するとなった場合、「あ〜あの先生の教え子か、どれどれどんな研究をしているのかな?」

 

と、少しばかり興味を持ちませんか?(ここで、もし審査員の先生が、自分の指導教員を嫌っていた場合、運がなかったと諦める事例かもしれません。)

 

その少しばかりの興味を引き出すことができたならば、それは大成功だと思います。

 

やはり、人は、興味のあるなしで、仕事への集中などのパフォーマンスが変わってきてしまいます。

 

指導教員の名前を使って、審査員の先生の興味を少しでも引き出すことができれば、それだけで、他の申請書より自分の申請書を深く読んでもらえる可能性が高まったも同然です。

 

これは、自分の申請書が他人の申請書とドングリの背比べ状態であった場合は、効果があると思います。

 

また、申請書には、共同研究者の名前を書く項目がありますが、そこでも知っている先生が共同研究者であれば、審査員の先生の興味を引き出すことができると思います。

 

 

実績

皆さん重々承知している事柄で、改めて説明するのも憚られる内容ですが、

研究者の世界で、最も重要視される事柄の一つが、実績ですよね。

具体的には、論文数などですよね。

 

ですので、実績があればあるほど、研究者としては、素晴らしい人となる傾向にありますよね。

 

では、学生の場合はどうなるか。

 

若いのにすでに論文も書いて、賞も色々もらっている学生である場合、普通は研究を熱心に頑張っているなとか、研究者としての素養があるんじゃないかとか思いますよね。

 

そうなると、こういう実績を持っている学生は、今回どんな申請書を送ってきたんだろうっと、申請書を読んでみようかなと思わせることができますよね。

 

言い換えれば審査員の先生から申請書に対する興味を引き出すことができますよね。

 

審査員の先生方は、申請者のことを全く知らないことを想定してください。

 

申請書からは、申請者の人となりはほとんど分かりません。

 

確かに、自己の長所などを記載する項目はありますが、申請する人々は皆、自分は素晴らしい人として書くので、皆同じような人柄に見えてきてもおかしくありません。

 

したがって、公平にその人の研究への姿勢や研究への向き不向きを少ない情報で判断しなければならない場合、やはり1番の判断材料って実績ですよね。

 

申請書のこれからの研究の内容も重要ですが、やはり過去に得てきた実績は、無視できないほど重要であり、好印象を与える最大のチャンスであり、審査員の先生が、申請者の研究への姿勢などを判断する材料になってしまうと思います。

 

ですので、私は、実績を審査の先生方が必ず初めの方に注目する項目に選び、実際、実績作りに注力しました。

 

これまでの研究の背景部分

これまでの研究の背景部分を読むまでで、恐らく審査の先生の申請書に対する興味や、どれくらいしっかり読むかなど、無意識の範囲も含めて、申請書間で差ができていると思います。

 

そして、申請書をしっかり読んでもらい、高評価を貰うために必要な最後の項目は、これまでの研究の背景部分です。

 

ここは必ず最大限注力すべき場所です。

 

基礎研でなかなか実績が作りにくい、論文化までたどり着きにくい(私の研究も基礎研でなかなか難しい立ち位置なんでとても分かります。)人達も、一発逆転で審査員の先生に「こいつなかなかやる奴?」や「この申請書読んでみたいな」など申請書に対する興味を審査の先生から引き出すチャンス項目です。

 

この項目で私は、

  • 文章を一度読んだだけで、研究内容を理解できた感覚になってもらうくらい端的で分かりやすい内容を追究
  • こなれた文章
  • 研究の展望や社会に及ぼすインパクトについて端的に記載

を気をつけて書きました。

 

分かりやすい内容を書けってよく言われますよね。

 

個人的に分かりやすい文章とは、一度読んだだけで理解できた感覚になれる文章だと思っています。

 

具体的には、専門的過ぎる用語(具体的な遺伝子名)などは書かず、専門外の人(自分のお母さんなど)に見せても理解した感覚になってもらえる文章だと思います。

 

また、将来の展望や、今後どういった研究に発展するのかも記載することが重要だと思います。

 

例えば、創薬に繋がるや、新たなターゲット分子となりうるなどなど、こちらもなるべくイメージしやすい内容を書くといいと思います。

 

さらに、この、これまでの研究の背景部分は、申請書の質などを伝える最初の項目でもあります。

 

したがって、これまでの研究の背景で、最大限の好印象を与えることができれば、さらなる高評価に繋がるようになるのではないでしょうか。

 

さらには、実績がない人でも大いに採用される可能性が高まるチャンスでもあると思います。

 

 

審査員が最も最後に読む箇所はどこだろうか

逆に、審査員の先生が最後に読む申請書の項目はどこでしょうか。

 

私個人は、研究者を志望する理由や自己の長所だと予想しました。

 

皆さん各々、理想の研究者像があると思います。私だって、ある疾病根治に関わるような研究をするために研究者を目指しました。そして、そのことを申請書に書きました。

 

しかし、恐らくこの項目は、皆が大体同じような内容を書いていると思われます。というか、そうなってしまうのだと思います。

 

ですので、突飛押しのないことや、倫理観、人としてやばいんじゃないのっていう内容を書かなければそれほど、問題にはならないと思います。

 

実際、この項目は、DC-1に申請内容を少しばかりブラッシュアップして、ほとんど内容は変えずにDC-2に申請しました。

 

最後に

申請書が採用される絶対的な方法なんてありません。ただ、採用される可能性を上げる方法はあると思います。

 

そして、採用される可能性を上げるには、自分なりの作戦を立案し、人の意見を多分に取り入れ、どんどん申請書をブラッシュアップしていくしかないと思われます。

 

一つ誤解して欲しくないことは、申請書の各項目は、全てが重要な項目です。

申請書を書く場合は、全ての項目を全力で書く必要があります。

そして、今回紹介させていただいたのは、重要な項目の中でさらに特筆すべき重要な項目です。

ですので、他の申請書の項目は手を抜いていいと言っているわけではないのでご留意ください。

 

また、今回記載した内容は、至極個人的見解に基づいた内容になっておりますので、取捨選択して参考にしていただければ幸いです。

 

暴論と感じた箇所もあったかと思われますが、最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

 

申請書を書く際に気をつけたことは、今回私が述べさせていただいたこと以外にも色々ありますが、それについては、別記事で紹介させていただきたいと思いますので、そちらもご一読いただければ幸いです。(準備中)