週刊博士課程

平成31年4月からアカデミアを目指して博士課程に進学する筆者が、研究生活等について徒然なるままに書こうと考えています。

週刊博士課程

【静岡大学に医学部創設?】静大と浜医大が統合合意で何が変わる?〜大学大合併時代〜

どうもHEK293Tです。

 

久々に実家に帰って、静岡新聞を見てみるとびっくり

 

なんと静岡大学と浜松医科大学が統合に合意したという記事が掲載されていました。

 

今日は、静岡出身のHEK293Tが思うところをお伝えしたいと思います。

 

 

静岡の国立大学

知らない人も多いと思いますが、実は静岡にはつの国立大学が存在します

 

それが、

  • 静岡大学
  • 浜松医科大学

 

名前からもわかるように浜松医科大学は、医学部だけが存在する単科大学です。

一方、静岡大学は、一応、総合大学なのですが、すでに浜松医科大学という国立の医学部が存在するため、静岡大学には、医学部はないんですよ。

 

これって結構珍しいんですよ。

 

他にも、栃木県や岩手県には医学部がない国立大学はありますが、

そういう場合は、

  • 栃木県の場合は、総務省管轄で私立自治医科大学
  • 岩手県では、私立岩手医科大学

と私立大学の医学部が代わりに設置されています。

 

しかし、静岡には、国立の単科医科大学があるんですよ!

 

東京などの主要都市でもない静岡に、1県2国立大学という珍しい状態がずっと続いていたんです。(北海道も静岡と同じ感じで、複数の国立大学が存在します。)

 

何が変わるの

まだ、構想段階みたいで確定的なことは言えないのですが、

 

現行2法人2大学の状態を

 

1法人2大学に変えるみたいです。

 

わかりずらいですよね。

 

イメージはこんな感じ

f:id:hdk46mer:20190331214134p:plain

 

 

これは、確実に、先日話題になった、

名古屋大学と岐阜大学の統合を参考にしていますね。

 

名古屋大学と岐阜大学は2020年度に

新法人「東海国立大学機構」

を設立し、この機構の傘下に名古屋大学と岐阜大学が所属する形になります。

そして、徐々に、経営や運営の統合をしていき最適化するみたいです。

 

静大と浜医大の話に戻すと、今の構想では、静大の浜松キャンパスと浜松医科大学で1大学、静大の静岡キャンパスで1大学新たに作り、それを運営するのが静岡国立大学機構となります。

 

したがって、これまで静岡大学の運営は静岡大学の先生が、浜松医科大学の運営は浜松医科大学の先生が行なっていましたが、この構想では、静岡国立大学機構が統合され新たにできる「静岡大学」と「浜松大学」2つの大学の運営を行うことになります。

 

つまり、本社が静岡国立大学機構、支社が静岡大学と浜松大学で、高校生などは支社に入社する感じですかね。

 

また、この構想では、経営はなんだかスリム化しているように見えますが、人事など色々もめそうですね。

 

イメージでは医学部の先生が強い発言権を得そうな感じ…

 

 

入試制度はどう変わる?

やはり最大の関心事項は入試制度の変更や募集人数の変更などではないでしょうか。

 

残念ながら、2019年3月31日現在、詳しいことは何一つわかっていません。

 

しかし、一般的な総合大学では、入試では数学科用や医学部用など入試科目が分けられていますよね。

なので、浜医大と静大が統合しても、入試科目を学部用に何種類か作ればいいだけで、難易度や入試科目などあまり変わらないと思います。

また、昨今医師の人数を増やすために、医学部の定員を増やしてきたわけで、今更大学統合に際して、募集人数を減らすとは考えづらいです。

さらに、今回は県内での大学統合です。しかも、静岡大学には医学部はないし、浜松医科大学には工学部・理学部などの学部はない。したがって、統合した場合、他の総合大学と同じになるだけで、募集人数を変更する必要なんてありませんよね。人数減らすと得られるお金も減りますし。

 

以上をまとめますと、結論としては、大学が統合しても、あまり現行の入試制度とあまり変わらないのではないかと考えます。

 

今後の大学統合情勢

私自身は、今後も地方国立大学の統合は進むと思います。

大学統合を「知の連携」とかっこ良く表記していますが、明らかに現在地方国立大学が抱える2つの問題が大学統合を推し進める原因だと思います。

 

では、その問題点とは何か、

  • 運営資金不足
  • 少子化で学生不足

です。

 

国立大学の資金難は、今では一般常識ですね。

東京大学でさえ、資金難で研究者が取ってきた寄付金などの研究資金も一部大学に納めなければならず、研究資金が否応無しに減るのです。

 

地方国公立では、もっと悲惨で、大学からの研究資金の支給は一切望めず、自腹を切っている研究者さえいます。

 

続いて、人員問題。

研究者っていうのは結構います。

しかし、大学を運営するにあたり欠かせないのが、学生です。

大学ってうまいシステムで、教員は学生を使って研究を進められて、学生は大学で研究に従事することで専門的知識を身につけ就職をある程度優位に進めることができるというWin-Winなシステムなんですね。

(ここでは、学生の奴隷的運用については隅に置いておきます。)

 

このなかなか都合の良いシステムは、学生と教員の利害が一致しているため成り立ったいるわけですが、もし学生の数自体が減ってしまい定員割れしてしまったらどうなるか、

 

もうこのシステムは破綻しますよね。

どうあがいても研究してくれる人材自体がいなくなってしまうわけですから、教員は研究を進めることはできませんよね。

 

そうなるよ大学の研究力自体も激減して、大学の価値が無くなってきます。

 

この2つの問題を解決しようとなるとやはり

運営統合ですよね。

 

もし、静岡の2つの国立大学の統合が成功すれば、

「名古屋大学と岐阜大学の県を跨いだ国立大学統合」と「静岡大学と浜松医科大学の県内での大学統合」という、県外同士と県内同士の大学統合という2つの実例が誕生します。

 

現在は法律で1法人1大学までの設置を認めていますが、今法律を変えていて、

1法人に複数大学を設置できるようにしているみたいです。

そのため、1法人3大学などもできるわけです。

具体的には、名古屋大学と岐阜大学からなる東海国立大学機構に三重大学が加わることだってできるわけです。

 

そうなると、運営のスリム化に伴い資金難の解決にもなります。

また、大学運営できるほどの学生を集めればいいわけで、3つの大学が1つの大学になったわけですから、従来より少ない募集人数で済みますよね。

そうすると、定員割れする学部も少なくなり少子化による学生数の減少問題もクリアできます。

(募集人数の減少は学生にとっては痛手ですね。)

したがって、大学側としては大学統合はメリットだらけです。

 

しかし、ここには重大な問題点があります。

それは、

  • 研究者の絶対数が減るかもしれない

 

です。

東海国立大学機構の場合、名古屋大学と岐阜大学という2つの総合大学の統合です。

この2つの大学には、医学部も教育学部も文学部も工学部も農学部もあります。

これって統合するとき、問題ありませんか?

具体的には、名古屋大学の農学部と岐阜大の農学部を統合するとなると、名古屋大学の教員が岐阜大学でも教鞭を取ることができ、岐阜大学の先生が名古屋大学の教鞭を取ることもできますよね。

そうなると、必要な研究者の人数って減りますよね。

つまり、研究者のポストが減り、よりアカデミックのポストを得にくくなるのではないでしょうか。

私にとっては、死活問題です!!

 

また、より少ない研究者で大学運営が可能になってしまう。そうなると大学職員を減らすために、研究者の契約社員化が進み、雇い止めも加速するのではないのでしょうか。

(現在助教や准教授の多くは契約社員で、大学と5年契約を結んで大学に勤めています。したがって、5年経過し、大学側が雇い止めを決定すると大学の教員は無職になります。)

 

少子化の余波で私も将来職を失いそうです。

やはり、海外で働くことを本気で考えなければいけないのか。

 

 

 

最後に

文脈上書けませんでしたが、東海国立大学法人の入試制度にも触れたいと思います。

東海国立大学法人の方も入試制度についてはまだ何もわからないのが現状です。

しかし、旧帝の名古屋大学と地方国立大学の岐阜大が同じ入試試験を課すとは考えにくく、これまで通りそれぞれの大学が独自に入試を行うのかもしれません。

 

そうなると、統合の意義が曖昧になりませんかね。しかも、余計に内部でもめそう…

 

まあ、こんな感じで、大学が生き残るためには統合が必要なのかもしれませんが、そうなると私は将来職を失います。

 

本来ならば、政府がもっとお年を召した方々のための政策ばかり立案するのではなく、少子化対策に本腰を入れてくれていれば解決できる問題でもあります。

 

何とかして欲しいものです。そうしないと、日本の頭脳がどんどん海外に流出してしまいかねません。

 

 

 

他には研究室訪問や大学院入試について、イタリア旅行についてなどの記事を書いています。そちらも合わせて御一読いただければ幸いです。

www.weekly-doctor-course.com

www.weekly-doctor-course.com

www.weekly-doctor-course.com

www.weekly-doctor-course.com

www.weekly-doctor-course.com